【イタリア語フレーズ#6】ホテルにチェックインする

旅行や出張でイタリアのホテルに滞在する際、まず行うのがチェックインです。
フロントでのやり取りは丁寧な言葉づかいが求められますが、よく使われる表現を知っていればスムーズに対応できます。
このレッスンでは、「予約があります」「名前は〇〇です」「パスポートをどうぞ」など、チェックインで使えるイタリア語のフレーズとその使い方を解説します。
会話例

Buongiorno, benvenuto all’hotel!
(ブオンジョルノ, ベンヴェヌート アッロテル!)
こんにちは、ホテルへようこそ!

Buongiorno. Ho una prenotazione a nome di Yamada.
(ブオンジョルノ. オ ウナ プレノタツィオーネ ア ノーメ ディ ヤマダ)
こんにちは。山田の名前で予約しています。

Vediamo… sì, eccola qui. Un documento, per favore.
(ヴェディアーモ…スィ, エッコラ クイ. ウン ドクメント, ペル ファヴォーレ)
確認しますね…はい、山田様ですね。身分証をお願いします。

Ecco il mio passaporto.
(エッコ イル ミオ パッサポルト)
こちらが私のパスポートです。

Grazie. Ecco la chiave della sua camera. È la 204.
(グラーツィエ. エッコ ラ キアーヴェ デッラ スア カーメラ. エ ラ ドゥエチェントクワットロ)
ありがとうございます。お部屋の鍵です。204号室になります。

Grazie mille.
(グラーツィエ ミッレ)
どうもありがとうございます。
重要フレーズの紹介
① Ho una prenotazione a nome di ~.(〜の名前で予約しています)
ho(私は持っている)+ una prenotazione(予約)で「予約があります」という意味になります。“a nome di ~”は「~の名前で」という定型句です。
② Un documento, per favore.(身分証をお願いします)
documento は「身分証(ID)」の意味。per favore を加えると丁寧な印象になります。
③ Ecco il mio passaporto.(こちらが私のパスポートです)
ecco は「はい、どうぞ」「こちらです」の意味で、物を手渡すときに使います。“ecco il ~”で「これが~です」という定型表現になります。
④ Ecco la chiave della sua camera.(お部屋の鍵です)
chiave(鍵)+camera(部屋)を使った表現です。sua(あなたの)は敬称の形をとっています。
⑤ È la 204.(204号室です)
È は essere の三人称単数形で、英語の It is に相当する動詞です。部屋番号や場所を示すときに使います。
文法のポイント解説
1. 予約を伝える表現:Ho una prenotazione a nome di ~.
ホテルやレストランで「予約があります」と伝えるとき、イタリア語では“Ho una prenotazione a nome di ~.”という表現を使います。
- Ho una prenotazione a nome di Rossi.
(ロッシの名前で予約しています)
Ho は、動詞 avere(持っている) の1人称単数形。una prenotazione は「予約」という意味で、prenotare(予約する)から派生した名詞です。
“a nome di ~ ”は「〜の名前で」という前置詞句で、ここに自分の姓や予約者の名前を入れます。
2. ecco の使い方
物を手渡す・見せる場面でよく使われる表現が ecco(エッコ) です。
「はい、どうぞ」「こちらです」という意味になり、文の冒頭に置くことで「提示という行為」を強調します。
- Ecco il mio passaporto.(こちらが私のパスポートです)
- Ecco la chiave.(こちらが鍵です)
- Ecco la sua camera.(こちらがお部屋です)
3. sua を使った丁寧な言葉づかい
ホテルをはじめとする接客の場面では、丁寧な表現(敬称)が使われることが多いです。
- la sua camera(あなたのお部屋)
→ 敬称 sua(あなたの)
上記の文では sua が使われていますが、これは「彼女の」ではなく「あなたの」という意味です。
イタリア語では、敬称 Lei(あなた)を使う場合、文法的には3人称単数(女性形)として扱います。
よって、「あなたの部屋」を表す場合、以下の2通りの表現ができます。
- la tua camera(親しい間柄)
→「tua」は所有形容詞の2人称女性単数形 - la sua camera(敬意を込めた丁寧な言い方)
→「sua」は所有形容詞の3人称女性単数形
4. 部屋番号の伝え方:È la 204.
イタリア語では、部屋番号や住所などを言うときに “È ~.”(〜です)の形をよく使います。
このときの È は、動詞 essere(〜である) の3人称単数形で、「それは〜です」という意味になります。
- È la 204.(204号室です)
- È il secondo piano.(2階です)
- È il suo numero di stanza.(こちらがあなたの部屋番号です)
また、イタリア語の100〜999の数字の読み方の練習もしておくと安心です。
5. 感謝の気持ちを伝える表現:Grazie mille.
“Grazie mille.”は、イタリア語で「どうもありがとうございます」を言いたいときの定番フレーズです。
grazie(ありがとう)に mille(千)を加えることで、「千の感謝を=本当にありがとう」という気持ちを伝えます。
まとめ
- Ho una prenotazione a nome di ~.:チェックインでの定番フレーズ。
- Un documento, per favore.:パスポート提示時に使う表現。
- Ecco il mio passaporto.:Ecco は物を手渡すときに使える便利表現。
- Ecco la chiave della sua camera.:丁寧な言い方で鍵を渡すときのフレーズ。
- È la 204.:”È〜”で部屋番号を伝える。
- Grazie mille.:「どうもありがとうございます」という感謝の表現。