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【イタリア語文法#9】一般動詞の現在形(-ere 動詞)

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森乃

イタリア語の動詞は、その語尾に注目すると大きく3つのグループに分けられます。

不定詞(原形)が -are、-ere、-ire のいずれかで終わっており、それぞれのグループによって活用のルールが異なります。

このレッスンでは、2番目のグループにあたる -ere 動詞の現在形について解説します。

-ere で終わる動詞は頻繁に登場するため、正しい活用パターンを身につけることで、会話や文章の表現力が格段にアップします。

1. -ere 動詞とは? 活用のしくみと語尾変化

イタリア語の現在形では、主語によって動詞の形が変わるというルールがあります。

これは英語で言えば「I go / he goes」のような変化に似ていますが、イタリア語ではより多くの主語に合わせて動詞の語尾が変化します。

-ere 動詞を現在形で使うには、以下のステップで変化させます。

  1. 動詞の語尾 -ere を取り除いて、「語幹」を取り出す。
    例)leggere(読む) → legg-
  2. 語幹に、人称代名詞に対応した語尾を付ける。この語尾が、-ere 動詞グループ特有のものになります。

-ere 動詞の現在形の語尾(基本形)

主語語尾例(leggere の場合)
io(私)-oleggo(読む)
tu(君)-ileggi(読む)
lui / lei(彼/彼女)-elegge(読む)
noi(私たち)-iamoleggiamo(読む)
voi(君たち)-eteleggete(読む)
loro(彼ら)-onoleggono(読む)

このルールに従えば、多くの -ere 動詞を正しく活用できます。

2. 代表的な -ere 動詞とその活用例

イタリア語の -ere 動詞には、日常的によく使われる動詞がたくさんあります。

ここでは、特に頻出の4つの動詞を取り上げて、活用形と意味、使い方のポイントを解説します。

2-1. leggere(読む)

「読む」という意味の基本動詞です。本や新聞など、読む行為全般に使われます。

主語活用形例文日本語訳
ioleggoIo leggo un libro.私は本を読む。
tuleggiTu leggi il giornale.君は新聞を読む。
lui / leileggeLei legge una rivista.彼女は雑誌を読む。
noileggiamoNoi leggiamo insieme.私たちは一緒に読む。
voileggeteVoi leggete ad alta voce.君たちは声に出して読む。
loroleggonoLoro leggono molto.彼らはたくさん読む。

2-2. scrivere(書く)

scrivere は「文章を書く」「記録する」など幅広く使われます。

主語活用形例文日本語訳
ioscrivoIo scrivo una lettera.私は手紙を書く。
tuscriviTu scrivi bene.君は上手に書く。
lui / leiscriveLui scrive un diario.彼は日記を書く。
noiscriviamoNoi scriviamo un libro.私たちは本を書いている。
voiscriveteVoi scrivete in italiano.君たちはイタリア語で書く。
loroscrivonoLoro scrivono articoli.彼らは記事を書く。

2-3. vedere(見る)

verede は「見る」という意味の頻出動詞です。「知覚」や「理解する」という意味でも使われます。

主語活用形例文日本語訳
iovedoIo vedo il sole.私は太陽が見える。
tuvediTu vedi qualcosa?君は何か見える?
lui / leivedeLei vede il futuro.彼女は未来が見える。
noivediamoNoi vediamo la televisione.私たちはテレビを見る。
voivedeteVoi vedete bene?君たちはよく見える?
lorovedonoLoro vedono un uccello.彼らは鳥を見ている。

2-4. vivere(住む/生きる)

vivere は「住む」だけでなく「生きる」の意味もあり、文脈で判断します。

また、住んでいる場所を表すときは「vivere a/in+場所」を使います。

主語活用形例文日本語訳
iovivoIo vivo a Roma.私はローマに住んでいる。
tuviviTu vivi con i tuoi genitori?君は両親と暮らしてる?
lui / leiviveLui vive da solo.彼は一人暮らししている。
noiviviamoNoi viviamo in campagna.私たちは田舎に住んでいる。
voiviveteVoi vivete in città?君たちは街に住んでるの?
lorovivonoLoro vivono felicemente.彼らは幸せに暮らしている。

3. 語幹が変化する -ere 動詞に注意

前のセクションで紹介したように、-ere 動詞の多くは規則的に活用します。

しかし中には、語幹(語尾 -ere を除いた部分)自体が活用の中で変化する動詞もあります。

これらの動詞は基本の語尾パターン(-o, -i, -e, -iamo, -ete, -ono)を保ちつつも、語幹の一部に変化が起こる点が特徴です。

例:rimanere(残る)

こちらは典型的な語幹変化動詞で、1人称単数(io)と3人称複数(loro)で語幹が変化します。

具体的には、語幹「riman-」に「-g-」が挿入されます。。

  • io rimango(私は残る)
    → 語幹が「riman-」→「rimang-」に変化
  • tu rimani
  • lui/lei rimane
  • noi rimaniamo
  • voi rimanete
  • loro rimangono 
    → 1人称単数同様、語幹が「rimang-」に変化

その他、語幹変化に注意すべき -ere 動詞一覧

動詞意味語幹変化のポイント
tenere持つio, tu, lui/lei, loro で語幹変化
scegliere選ぶio 形で「scelgo」など綴りが変化
sedere座るio 形で「siedo」など語幹変化

このような動詞は不規則な要素を含むため、活用形を一つ一つ覚えていく必要があります。

とはいえ、-ere 動詞の多くは規則動詞ですので、まずは基本パターンをしっかり身につけましょう。

まとめ

  • -ere 動詞は、不定詞が「-ere」で終わる動詞を指します。
  • 主語に合わせて語尾が変化します。基本の語尾は「-o, -i, -e, -iamo, -ete, -ono」となります。
  • 多くの -ere 動詞は規則的に活用しますが、いくつかの例外(語幹変化動詞)もあります。

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