初級文法

Lesson 01|イタリア語のアルファベットと発音の基本

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青葉

イタリア語は、ラテン語を起源とするロマンス諸語の一つで、アルファベットには英語と同じラテン文字を使用します。

発音には明確なルールがあり、スペルと発音がほぼ一致しているのが大きな特徴です。

英語のように「綴りは読めるけど読み方がわからない」と悩むことは少なく、一度ルールを覚えれば、初めて見る単語もおおよそ正確に読めるのがイタリア語の魅力です。

このレッスンでは、アルファベットの文字ごとの発音、発音変化の法則、初心者がつまずきやすい文字のルールを詳しく解説していきます。

イタリア語アルファベットの構成と特徴

アルファベット一覧(21文字)

イタリア語のアルファベットは、以下の 21文字 で構成されています:

A, B, C, D, E, F, G, H, I, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, Z

ここに含まれない K, J, W, X, Y の5文字は、イタリア語の外来語(jeans〈ジーンズ〉、ketchup〈ケチャップ〉、yogurt〈ヨーグルト〉など)や略語、固有名詞などにのみ使われます。

発音の一貫性

イタリア語は綴りと発音が対応しているため、基本的に「読めれば書ける、書ければ読める」という特性があります。

英語のように綴りと音が一致しないことは少なく、初学者でも比較的スムーズに読み書きが学べます。

母音の発音(A, E, I, O, U)

イタリア語の母音は5つですが、それぞれ「開口音」(口を大きく開けて発音)「閉口音」(口をあまり開かずに発音)に分類されます。

母音発音備考
A「ア」日本語と同じ。口を大きく開けて発音
E「エ」または「エー」開口 / 閉口の2種類がある(例:perché, bene)
I「イ」舌を上あごに近づけて発音
O「オ」または「オー」Eと同様に2種類の音がある(例:sole, molto)
U「ウ」唇を丸く突き出すようにして発音
EとOの音の違い(開口音/閉口音)

辞書などでは [ɛ]/[e](エ)や [ɔ]/[o](オ)のように区別して表記されることもありますが、日常会話では意味を取り違えることはほとんどありません。

ネイティブでも地域差があるため、初学者のうちは必要以上に気にしなくても大丈夫です。

子音とその発音ルール

以下の文字は、後に続く母音によって発音が変化するため、最初にしっかり理解しておきましょう。

C と G の使い分け

綴り発音
ca / co / cu[k](カ・コ・ク)casa(カーザ)
ce / ci[ʧ](チェ・チ)ciao(チャオ)
ga / go / gu[g](ガ・ゴ・グ)gatto(ガット)
ge / gi[ʤ](ジェ・ジ)gelato(ジェラート)

chi / che / ghi / ghe の使い方

eやiの前で硬い音(k / g)を保ちたいときには、hを挿入します。

  • che(ケ)chi(キ)ghe(ゲ)ghi(ギ)

H自体には音がないため、発音されることはありません。

H の役割

Hは音を持たない無音文字で、単体では発音されません。ただし以下の2つの用途があります。

  1. C・Gと組み合わせて音を保つため(例:che, ghi)
  2. 人称変化で意味を区別するための視覚的目印(例:ho = avereの一人称単数)

Z の2種類の発音

Zは語によって [ts] または [dz] で発音されます。以下は代表的な例です。

単語発音日本語訳備考
pizza[ˈpit.tsa]ピザ無声 [ts] の音
zaino[ˈdzai.no]リュック有声 [dz] の音

辞書では発音記号で表されますが、実際には個別に覚えるのが基本です。

R の発音

Rは巻き舌で発音されます。舌先を軽く震わせて発音することで、言葉に力強さが加わります。

  • Roma(ローマ)
  • amore(アモーレ)

初めのうちは日本語の「ラ行」寄りでも問題ありません。無理に巻こうとせず、自然に慣れていくことが大切です。

まとめ

  • イタリア語のアルファベットは基本21文字で構成される。
  • J, K, W, X, Y は外来語・略語でのみ使用される。
  • CとGは、後続の母音によって発音が変化し、必要に応じてhが挿入される。
  • 母音は明瞭に発音され、日本語に似た音も多く、学習者にとって親しみやすい。
  • Zは [ts]/[dz] の2つの音があり、語によって異なるため注意が必要。
  • Rは巻き舌音で、自然に慣れるまで練習を重ねることが大切。
  • hは発音されないが、綴りに必要な補助文字である。

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