Lesson 07|avere の活用と使い方

イタリア語の基礎動詞 avere(アヴェーレ)は、「持つ」「所有する」という意味にとどまらず、「〜である状態にある」という広い概念を表すことができる重要な動詞です。
また、avere は文中で単独で使われるほか、熟語表現・感情表現・助動詞としての機能など多彩な役割を果たします。
このレッスンでは、現在形の活用をマスターするだけでなく、日常的に使用される様々な avere の用法とその運用について、例文を交えて解説していきます。
avere の活用と基本ルール
avere の特徴
avere(アヴェーレ)は、イタリア語の基礎動詞で、「持つ」「所有する」「ある」といった意味を持ちます。
英語の have に相当し、イタリア語では非常に高頻度で使われる動詞です。
さらに、イタリア語では「〜歳です」「寒いです」などの状態も avere を使って表します。
また、過去形を作るときの助動詞としても使われるため、早めにマスターしておきたい動詞のひとつです。
現在形の活用表(不規則動詞)
人称 | 活用形 | カタカナ読み | 日本語訳 |
---|---|---|---|
io | ho | オ | 私は〜を持っている |
tu | hai | アイ | 君は〜を持っている |
lui / lei | ha | ア | 彼/彼女は〜を持っている |
noi | abbiamo | アッビアーモ | 私たちは〜を持っている |
voi | avete | アヴェーテ | 君たちは〜を持っている |
loro | hanno | アンノ | 彼らは〜を持っている |
avere は 不規則活用動詞であるため、語幹が一定しません。動詞の形を丸ごと覚えるのが基本となります。
また、ho, hai, ha, hanno の4つはすべて h が付きますが、イタリア語では h は発音しないので注意しましょう。
例文と解説
Ho un libro.|私は本を1冊持っている
主語 io(私)に対する avere の一人称単数形 hoを使用。avere はここでは「所有」を意味し、 ho un libro で「本を一冊持っている」ことを表します。
Hai fame?|君はお腹が空いてる?
主語は tu(君)で、avere の二人称単数形 hai を使用。fame は「空腹」という意味の女性名詞です。「avere fame」で「空腹の状態を持つ」=「お腹が空いている」ことを表す慣用表現となります。。
Ha trent’anni.|彼/彼女は30歳だ
主語は lui(彼)または lei(彼女)。動詞は三人称単数形 ha を使用。 trent’anni は「30年(30歳)」を意味し、「avere + 年齢」で年齢を表現するイタリア語独特の構文です。英語の He is 30 に相当するが、イタリア語では「30歳を持っている」という表現を使う点が大きな違い。
Abbiamo una casa.|私たちは家を所有している
主語は noi(私たち)で、avere の一人称複数形 abbiamo を使用。avere による所有表現で、una casa は家(casa)に女性単数形の不定冠詞「una」がついたもの。
Hanno sonno.|彼らは眠い
主語は loro(彼ら/彼女ら)で、avere の三人称複数形 hanno を使用。sonno は「眠気」を意味する男性名詞です。「avere sonno」で「眠気の状態を持っている」=「眠い」となります。
ポイント解説
所有の用法:「〜を持っている」
avere のもっとも基本的な意味は、「持っている(所有している)」です。このとき、名詞とセットで使われるのが一般的です。
- Ho una macchina.(私は車を1台持っている)
- Loro hanno due cani.(彼らは犬を2匹飼っている)
英語の have をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
また、名詞の前に 不定冠詞(un/una など) をつける点も重要です。
状態・感情の表現:「〜の状態にある」
イタリア語では、「暑い」「寒い」「お腹が空いている」などの感覚や状態を 「avere + 名詞」 で表現します。
英語や日本語のように「be動詞」を使わない点に注意が必要です。
表現 | 意味 | 直訳のイメージ |
---|---|---|
avere fame | お腹が空いている | 空腹を持っている |
avere sete | のどが渇いている | 渇きを持っている |
avere caldo | 暑い | 暑さを持っている |
avere freddo | 寒い | 寒さを持っている |
avere sonno | 眠い | 眠気を持っている |
avere paura | 怖がっている | 恐怖を持っている |
「〜の状態にある」=「〜を持っている」と表すのはイタリア語独特の感覚表現なので、慣用句として丸ごと覚えるのがおすすめです。
年齢を表す表現:「〜歳です」
英語や日本語では「私は30歳です(I am 30)」という構文を使いますが、イタリア語では 「年齢を持っている」という考え方をします。
- Quanti anni hai?(何歳ですか?)
- Ho trent’anni.(私は30歳です)
avere の助動詞的用法
avere は、過去形(近過去など)を作るときの助動詞としても使われます。
主語 + avereの活用 + 過去分詞
- Ho mangiato.(私は食べた)
- Hai studiato?(君は勉強した?)
- Loro hanno visitato Roma.(彼らはローマを訪れた)
動詞によっては essere を使うケースもあります(例:動きのある動詞など)。この違いは別のレッスンで詳しく解説します
まとめ
- avere は「持っている」「ある」という意味を持つ基本動詞。
- 現在形の活用は不規則で、ho / hai / ha / abbiamo / avete / hanno の6つを丸ごと覚える。
- 無音の h は発音されないが、綴りには重要な役割を持つ。
- 所有の意味だけでなく、状態(寒い・眠い・怖いなど)を表す表現としても頻繁に使われる。