初級文法

Lesson 06|essereの活用と使い方

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青葉

イタリア語で最も基本となる動詞が essere(エッセレ)=「〜である」 です。

英語でいう「be動詞」に相当し、主語の状態・性質・場所などを説明する際に必ず使われる不可欠な動詞です。

「私は日本人です」「今日は寒いです」「彼は先生です」など、日常生活での表現に広く使われ、かつ助動詞や受動態の構成要素としても今後の文法理解の土台になります。

このレッスンでは、essere の現在形の活用と、基本的な使い方・意味の広がりを具体例を交えながら学んでいきます。

essere の基本的な意味と用法

基本の意味は「〜である」「〜にいる」

動詞 essere(エッセレ) は、イタリア語において最も基本的で、最も重要な動詞のひとつです。

日本語では「〜である」「〜にいる」「〜として存在する」などと訳されます。

英語で言えば “be動詞(am, is, are)” にあたりますが、イタリア語ではこの動詞の使い方が より幅広く、より文法の中心的役割を担っています。

essereの主な用途
  • 自己紹介(名前・出身・職業)
  • 状態や感情の表現(〜は嬉しい、元気だ)
  • 存在の説明(〜にいる/ある)

イタリア語では、主語に応じて動詞の形が変化する(活用する)のが特徴です。これは動詞文法の根幹であり、初学者が最初に覚えるべき必修知識です。

essereの活用表(現在形)

主語(人称代名詞)活用形読み方用法の例
io(私)sonoソーノ私は〜である
tu(君)seiセイ君は〜である
lui / lei(彼/彼女)èエー彼は/彼女は〜である
noi(私たち)siamoシアーモ私たちは〜である
voi(君たち)sieteシエーテ君たちは〜である
loro(彼ら)sonoソーノ彼らは〜である
アクセント記号に注意!

essere三人称単数の活用形「è(エー)」は、接続詞の「e(そして)」と区別するためにアクセント記号「 ` 」 がつきます。

これは文法上重要な意味区別になります。

例文と解説

Io sono giapponese.|私は日本人です。

主語 io(私)+動詞 sono(私は〜である)+補語 giapponese(日本人)。属する国籍や身分などを「名詞」や「形容詞」で表す典型文です。国籍や身分を表す際は、冠詞は不要です。

Tu sei studente.|君は学生です。

主語 tu(君)+動詞 sei(君は〜である)+補語 studente(学生)。職業や立場も無冠詞で表現されます。例文は男性形ですが、女性の場合は studentessa と表記します。

Lui è a casa.|彼は家にいます。

主語 lui(彼)+動詞 è(彼は〜である)+前置詞句 a casa(家に)。「〜にいる」という存在・位置を表す表現です。a+場所名詞で構成されます。

Noi siamo amici.|私たちは友達です。

主語 noi(私たち)+動詞 siamo(私たちは〜である)+補語 amici(友達たち)。amici はamico の複数形。主語に合わせて名詞も複数形に一致します。

Voi siete stanchi?|君たちは疲れていますか?

主語 voi(君たち)+ 動詞 siete(君たちは〜である)+補語 stanchi(疲れている)。イタリア語では、「〜ですか?」と疑問を作るときも語順はそのままで、イントネーションで区別します。

Loro sono felici.|彼らは幸せです。

主語 loro(彼ら)+動詞 sono(彼らは〜である)+補語 felici(幸せな)。形容詞も主語が複数の場合は複数形に変化します(felice → felici)。

文法のポイント解説

essere は「存在・状態・本質」を伝える動詞

英語の “be動詞” と同様に、essere は人や物の「あり方」や「現在の状態」を表す際に使われます。

属性・身分・職業を述べる

「AはBである」という 主語の属性や身分、職業など を表す際に使います。

  • Io sono insegnante.(私は教師です)
    → 「教師」という職業を表している。「冠詞(unなど)」は不要。
  • Tu sei studente?(君は学生ですか?)
     → 質問にも使える。冠詞なしで職業・身分を表すのが特徴。
「属性・身分・職業」は無冠詞でOK

essereで「属性・身分・職業」を表す際には、補語にあたる名詞や形容詞の前につく冠詞は省略されるのが一般的です。

状態・気分・感情を表す

essere は、人の 感情・気分・体調・一時的な状態を表す時にも使います。

  • Sono stanco.(私は疲れています)
  • Lei è felice oggi.(彼女は今日は幸せそうだ)

補語には主に形容詞が使われ、主語の性・数に合わせて形が変化します。

主語形容詞補足
io(男)stanco男性単数形
io(女)stanca女性単数形
noi(男女)stanchi男性複数形
noi(女性)stanche女性複数形

場所・存在を表す

人や物がどこにいる/あるという存在・位置を表現するときも essere を使います。

  • Lui è a casa.(彼は家にいます)
  • Il libro è sul tavolo.(本はテーブルの上にあります)

この場合、essere の後には前置詞句(a casa, sul tavoloなど) が続きます。

補足

イタリア語には動詞 stare もあり、「一時的にそこにいる」ニュアンスを持ちます。例:Sto a casa oggi.(今日は家にいる)

essere と stare はどちらも使えますが、 essere の方が一般的に使われています。

イタリア語では主語は省略される

イタリア語では動詞の形で主語が明確に分かるため、主語は省略されることが多いです。

  • Sono italiano.(私はイタリア人です)※io は省略
  • È interessante.(それは面白いです)※主語は文脈で判断

この特徴を押さえておくと、より自然なイタリア語を使うことができます。

まとめ

  • essere(〜である)はイタリア語の基本動詞。現在形の活用は主語に応じて変化する。
  • 補語には、名詞・形容詞・前置詞句などが来る。
  • 性(男性・女性)や数(単数・複数)に応じて補語も変化する。
  • 主語は 省略可能。動詞の形だけで意味が伝わるのがイタリア語の特徴。

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