【イタリア語フレーズ#5】映画について話す

映画は、友人同士の会話や日常の雑談で登場しやすい話題のひとつです。
「新作は観た?」「どんな映画だった?」「誰が出てたの?」など、映画の話を自然にできるようになることで、イタリア語での表現の幅が広がります。
このレッスンでは、映画を話題にするときによく使われるイタリア語表現を取り上げ、それぞれの文法的背景や、カジュアルな使い方まで解説します。
会話例

Hai visto quel film che è uscito la settimana scorsa?
(アイ ヴィスト クエル フィルム ケ エ ウッシート ラ セッティマーナ スコルサ?)
先週公開されたあの映画、観た?

Sì, l’ho visto ieri sera. È stato bellissimo!
(スィ, ロ ヴィスト イエーリ セーラ. エ スタート ベッリッシモ!)
うん、昨夜観たよ。すごくよかった!

Di che genere era?
(ディ ケ ジェーネレ エーラ?)
ジャンルは何だった?

Era una commedia romantica, molto divertente.
(エーラ ウナ コッメーディア ロマンティカ, モルト ディヴェルテンテ)
ロマンティック・コメディだった。とても面白かったよ。

Chi è l’attore principale?
(キ エ ラットーレ プリンチパーレ?)
主演は誰?

C’era Luca Argentero. È bravissimo!
(チェーラ ルカ アルジェンテロ. エ ブラヴィッシモ!)
ルカ・アルジェンテロが出てたよ。最高だった!
重要フレーズの紹介
① Hai visto quel film?(あの映画、観た?)
vedere(見る)の過去分詞 visto を使った近過去。主語はtu(君)、hai は動詞 avere の現在形です。
② L’ho visto ieri sera.(昨夜観たよ)
lo(それを)+ho visto(私は観た)という、目的語代名詞 lo を用いた返答。観た対象(例文では映画)を「lo」で表しています。
③ È stato bellissimo!(すごくよかった!)
「とても素晴らしかった」という感想を表すフレーズ。essere の近過去形 è stato +最上級形容詞 bellissimoで構成されます。
④ Di che genere era?(ジャンルは何だった?)
“di che genere 〜?”でジャンルや種類をたずねる疑問文となります。era は essere の半過去形です。
⑤ Chi è l’attore principale?(主演は誰?)
chi(誰)を主語とした疑問文。attore principale で主演男優、女性の場合は attrice principale と表します。
文法のポイント解説
1. 近過去を使って過去の経験を話す
“Hai visto 〜?”のような質問文では、過去に完了した行為(この場合は映画を観たという経験)を表すために、近過去が使われます。
【近過去】助動詞 avere/essere の現在形 + 過去分詞
「Hai visto」は、助動詞 avere の現在形 + vedere の過去分詞 visto から構成されています。
また、例文の “L’ho visto ieri sera. ”の「L’ho visto」のように、目的語 lo(それを)が助動詞の前に来るのがポイントです。この場合、「lo ho → l’ho」に短縮されています。
2. 映画のジャンルをたずねる:Di che genere era?
ジャンルを聞くときは、di che genere(どんなジャンルの)という表現が便利です。
era は動詞 essere の半過去形です。映画や本などの内容・雰囲気を尋ねたり、説明する際に自然に使われます。
3. 形容詞で感想を伝える:È stato bellissimo!
イタリア語では、形容詞で感想を表すのが一般的です。
“È stato bellissimo!”(とても素晴らしかった)では、è stato(それは~だった)と形容詞 bellissimo の組み合わせで、強い肯定的評価を伝えています。
形容詞には、divertente(面白い) や commovente(感動的な) などもよく使われます。
4. 出演者をたずねる・紹介する:Chi è 〜?
俳優や女優をたずねたいときは、“Chi è 〜?”(誰?) を文頭に置いて質問文を作ります。
attore principale(主演男優)、attrice principale(主演女優) など、役割を明確にするとより自然です。
また、出演者を紹介する表現として、「C’era + 人名」 という構文がよく使われます
ここでの c’era は essere(ある・いる) の半過去形で、「〜がいた・いたよ」という意味になります。
まとめ
- Hai visto quel film?:完了時制で経験をたずねる
- L’ho visto ieri sera.:目的語 lo の短縮形に注意
- È stato bellissimo!:形容詞+完了形で感想を表現
- Di che genere era?:内容を聞く半過去形の表現
- Chi è l’attore principale?:人物をたずねる疑問文
- C’era…:「〜が出てたよ」という存在・出演の表現