【イタリア語文法#5】冠詞の使い方
森乃 イタリア語の森
イタリア語では、名詞の前に「冠詞」をつけるのが基本です。
特に、「ある〜」「1つの〜」という意味をもつ 不定冠詞 は、日常会話・文章において頻繁に使われます。
このレッスンでは、不定冠詞の各形の使い分けとその判断ポイント、使いこなすための実践的な方法などを解説します。
不定冠詞は、名詞の前に置き、話し手・聞き手の双方にとって特定されてないものを指す冠詞です。
単数名詞にのみ用いられ、複数形には不定冠詞は存在しません。
そして、名詞の性(男性・女性)と語頭の文字(母音/子音/特定の子音)に応じて形が変化するのが特徴です。
英語における a / an に近い機能を持ちますが、イタリア語特有の変化ルールがあるため、しっかりと理解することが重要です。
性別 | 名詞の語頭 | 不定冠詞の形 | 使用例 | 日本語訳 |
---|---|---|---|---|
男性 | 一般的な子音 | un | un libro | 1冊の本 |
男性 | s+子音, z, ps, gn, x | uno | uno studente / uno zaino | ある学生/リュック |
女性 | 子音 | una | una casa | 1軒の家 |
女性 | 母音 | un’ | un’amica | ある女友達 |
イタリア語では、名詞には性(男性/女性)と数(単数/複数)があり、冠詞もそれに合わせて変化します。
複数形では、不定の意味を表すときに部分冠詞(del, della など)や形容詞の「alcuni(いくつかの)」などを使います。
uno は特定の子音群で始まる男性名詞の前で使われます。具体的には、以下の子音です。
これは、語の冒頭に強い子音が連続する場合、発音を補助するためにunoの語形が使われるという音声的な配慮に基づいています。
女性名詞で語頭が母音(a, e, i, o, u)の場合、una の語尾 a が脱落して「un’」となるのが基本です。
これは母音の衝突を避けるための措置で、イタリア語独特のなめらかで美しい発音を保つための仕組みです。